犬や猫にはどうやって薬をあげたらいいのかな?動物病院スタッフが解説するお薬の飲ませ方講座!
ペットと一緒に暮らしていると時には怪我をしたり病気になったりして投薬が必要になることがあります。ペットにどのようにお薬をあげたらよいでしょうか。
動物病院でお薬を渡されたけど、あげたことないから飲ませるのが不安だなぁ、、、
そんな風に思うことはありませんか?ペットの性格によって合う方法も変わってきますが、ぜひこれを読んでお薬を飲ませられるといいですね!
お薬の形状には錠剤・カプセル・粉薬・シロップの4種類があります。形状によって飲ませ方も異なります。
この後ご紹介する方法でその子にあう方法があれば、動物病院にお薬の種類の希望も伝えるようにしてください。
投薬方法については大きく分けて3タイプあります
1.ごはんに混ぜる
飼い主様にもペットにも負担がない方法です。全体に混ぜるのではなく、ごはんの前に少量のごはんに混ぜお薬を食べ終わってから残りのごはんを与えるようにしましょう。
特に粉薬については全体に混ぜてしまうと、ごはんを残してしまった場合やこぼしてしまった場合に必要な量のお薬が飲めなくなってしまいます。
少量のごはんにお薬を混ぜてお皿ではなく手で上げるのも飲んだことが分かりやすいのでお勧めです。
注意しなくてはいけないことは、普段から選り好みをする、食欲があまりない、また苦みのあるお薬ですと、食欲が落ちたりご飯自体を食べなくなってしまします。そのような場合には、好きなおやつ(チュールなど)に混ぜて与えるといいでしょう。
2.投薬補助食品を使用する(ごはんと一緒にお薬が飲めない場合)
当院では投薬補助食品(投薬用ちゅーるやピルアシスト・お薬ちょうだい)を使用しています。
投薬補助食品を食べてくれるようであれば、おやつ感覚で投薬ができるので投薬を嫌がることなく楽しく投薬ができます。投薬補助食品を使用する際は、薬を入れずに食べるかどうか試してからお薬を混ぜるようにしましょう。はじめから混ぜて与えてしまうと、警戒して食べなくなってしまうことがあります。
<ペースト状にしてあげる方法>
お薬を少量のペーストに混ぜ込み、直接舐めさせる・歯茎に塗る上顎に塗るなどして投与します。口の中に塗ることが難しい場合には鼻先につけると食べてくれる場合があります。
猫ちゃんに多いですが薬の苦みやにおいによって投薬後に泡を吹いてしまったり、よだれが出てしまうペットがいます。その場合には、オブラートに包んだり投薬補助食品などを使用すると嫌がることなく投薬できる場合がありますので試してみてはいかがでしょうか。
3.直接お口の中に入れる
ごはんやおやつ、投薬補助食品に混ぜても食べない場合は直接口に入れて投薬しなければいけません。
錠剤・カプセル・散薬・シロップによって与え方が異なります。
<錠剤・カプセルの場合>
①顎の骨を上向きに持ち上げます
②口を開けて喉の奥をめがけて投げ入れます
③飲み込んだことを確認するまで上向きの姿勢を保ちます 飲み込まない場合は、口を閉じて鼻に息を吹きかけたり喉をさするのも効果的です。
錠剤やカプセルは喉にくっついてしまうことがあるので投薬後にはシリンジなどでお水を飲ませましょう。
<粉薬・シロップの場合>
シリンジでの投薬方法
①少量の水で粉薬を溶き、シリンジで全量を吸います。
②やや上向きに顔を持ち、犬歯の後ろからシリンジを差し込み投与してください。
③シリンジに薬が残っていないか確認し、残っていたら再度水を吸ってシリンジに残っている薬を投与します。
<攻撃性がある場合>
まずはごはんやおやつ、投薬補助食品などを使用し、自分から食べてくれるか試してみましょう。それでも投薬ができない場合は当院では取り扱いしておりませんが、錠剤・カプセルの場合には投薬専用の道具・インプッター(ピルガン)などを使用してみることもおすすめです。
インプッター(ピルガン)の先端にお薬を詰め、お口の中に差し込みなるべく口の奥に入れます。そのあとすぐにお水をシリンジやスポイトを使って飲ませてください。
投薬後はインプッター(ピルガン)に薬が残っていないか、口の中に残っていないか確認しましょう。
ペットが動いてしまう場合には大きなタオルなどで顔だけ出してそっとペットを包み体を固定します。動きを制限する為ストレスがかかります。嫌な思い出を余り残さないよう、なるべく短時間で済ませましょう。
協力者にペットをおさえてもらうと投薬を短時間で済ませることができます。
粉薬の場合は正面から行うとかまれてしまう可能性があるので、そっと体をおさえ後ろから口の間にシリンジを差し込み投薬します。大きめのシリンジを使用するとかまれにくくなります。
どうしても投薬が困難な場合には病院スタッフにご相談ください。
きちんとお薬を飲むことで治癒を助け、病気の悪化や進行を遅らせたりすることができペットの健康にもつながります。日頃からお口周りが触れるように幼少期から慣らしておくことが大切です。