犬や猫の口臭が気になる!その原因と考えられる病気を解説します!
「あれ?最近うちの子、お口が臭う気がする…」そんな経験ありませんか?
平均寿命が延びたことで犬猫が高齢化していることや、室内で飼育されているご家庭が多いことから、口臭を気にするご家族が増えています。
「元気も食欲もあるし、今は様子を見ても大丈夫かな」そう考えているご家族もいらっしゃるかと思います。
しかし、実はその口臭は病気のサインかもしれません。
そこで今回は、口臭の原因とそこから考えられる病気についてお話しします!
口臭はどんなにおい?
基本的には犬猫の口のにおいを嗅いでも気にならないのが正常です。
口臭が気になる場合は、まずどのようなにおいがするのか以下の項目で確認してみましょう。どのようなにおいがしますか?
1.生臭い
2.腐敗臭
3.アンモニア臭
4.すっぱいにおい
口臭の原因
口臭は大きく分けると3つの原因から発生します。
〈歯周病〉
歯の表面にごはんの残りカスが付着することで歯垢ができて犬では3日、猫では7日程度で歯石になります。
歯周ポケットにできた歯石が歯肉を刺激することで炎症を起こして歯周病となってきます。
歯周病では生臭いにおいや腐敗臭がします。
〈内臓の病気〉
腎障害は腎臓の機能が低下することで体内の老廃物(尿素やアンモニア)を十分に排出できなくなる病気です。
そのため、口からアンモニア臭がすることがあります。アンモニア臭がする場合は腎臓病が進行して体に老廃物が溜まる尿毒症の可能性がありますので診察をおすすめいたします。
歯周病と比べると比較的広範囲に臭いが広がります。
他にも肝臓や胃腸に異常がある際も口臭が出る原因となります。
〈食べ物由来・口渇〉
においが強いごはんを食べた後や口が渇いている時も口臭を感じます。
改善方法
歯周病が原因で口臭が出ている場合には、歯石除去や抜歯が必要となります。
歯の処置は全身麻酔をかけて行うため、そのリスクが上がるシニア期になる前に実施し、その後は歯みがきできれいな歯を保つようにしましょう。
歯垢は臼歯と犬歯に付着しやすく、また歯ブラシでは磨きにくい場所でもあるため、意識して磨くことが大切です。
持病などの関係で麻酔がかけられない場合は、臭いの緩和を目的とした商品の使用をおすすめします。
詳しくはコチラをご参照ください。
ただし、根本的な原因の解決にはなりませんので、歯周病になる前の歯みがきが重要です。
また、腎障害等の内臓の病気が原因の口臭は、治療を行うことで改善されるケースもあります。
少しでも口臭が気になった際は、長期にわたって様子を見ずに獣医師に相談しましょう。
どのように予防すればよい?
まずは定期的な身体検査時に獣医師に歯と口腔内のチェックをしてもらいましょう。症状が出ていなくても、気づかないうちに歯周病になっている可能性もあります。
歯周病の予防は毎日の歯みがきが重要となります。
初めは上手にできず、歯みがきを諦めてしまう方もいると思います。しかし、諦めずにコツコツと取り組む事で病気の予防ができ、いつまでもきれいな歯でごはんを食べることができます。
当院では定期的に歯みがき教室を開催しております。歯みがきのコツやデンタルグッズ、歯石除去などを詳しく解説しています。機会がありましたら是非ご参加ください!
ただの口臭と軽視していると、病気が悪化してしまう可能性があります。
お口の健康は身体全体の健康にもつながりますので、定期的に口臭チェックをしてあげましょう。