犬種別シリーズ!犬種ごとの性格や特徴などをご紹介します~シ ーズー編~
ひとくちに犬と言っても、犬種ごとに見た目も性格もかなり違いますよね。
犬種別でご紹介するシリーズ、今回はシーズーの出番です。散歩中も見かける機会が多い、人気の根強い犬種です。
シーズーは 19 世紀頃に誕生。チベットが中国王朝に献上していたラサ・アプソと、王宮で飼育されていたペキニーズを交配させて生まれました。
元々ラサ・アプソは幸福を招く魔除けの犬と信じられており、その子であるシーズーも守り神として寵愛されていました。
名前は中国語の「獅子」に由来しています。第二次アヘン戦争後イギリスに渡り、ヨーロッパの国々でみられるようになったシーズー。
日本へは 1960 年代にやってきたとされています。近くの国で生まれたのに、日本に来るまでは結構時間がかかったわけですね。
そんなシーズーですが、一体どんな特徴があるのでしょうか。
性格と特徴
シーズーは遊びが大好きで活発。その一方で穏やかで落ち着いた面もあるため、一緒に仲良く暮らしやすい犬種です。
顔立ちは鼻周りに放射状に毛が生えており、菊の花に例えられることがあります。
体高は 23~27cm ほどで、体重は 4.5~8 ㎏と小柄なので、その点も飼育しやすさとしてあげられるでしょう。
ただプライドが高く頑固な一面も。子犬の頃から社会性を身に着けさせたり、一貫したしつけを行うことが重要です。穏やかな犬種だから……としつけを怠ると、成長してからの問題行動に繋がる場合もあります。
体は長毛のダブルコート。昔はサラっと伸ばしたストレートのシーズーが多かった印象ですが、最近では短くカットしている姿もよく見かけます。カットにより印象が大きく変化するのも魅力のひとつですね。
毛色は様々です。この色でなくてはいけない、というものは定められていません。
日本国内ではゴールド&ホワイト、ブラウン&ホワイト、ブラック&ホワイトなどのパーティカラーが人気のようです。
飼育方法
シーズーと一緒に暮らすにはどういったことに気を付ければ良いでしょうか。
まずひとつは先程もあげた通り、しつけです。
賢く友好的な性格であるため、覚えるのはそう難しくないかもしれませんが、頑固な一面があるので間違って覚えてしまうと直すのには時間がかかります。
ご家族内できちんと話し合って同じようにしつけてあげましょう。うまく出来た時には、たくさん褒めてあげてくださいね。
それから日頃のブラッシングと定期的なトリミングは必須です。被毛が長めで柔らかく、毛玉が出来やすいので、可能な限り毎日ブラッシングをしましょう。後述しますが皮膚疾患も多いため、定期的にシャンプーをしてあげることも大事です。
またシーズーは元々骨太でがっちりとした体型、太りやすい体質であるため運動も重要です。食事管理もしながら、日々運動をさせてあげると良いでしょう。しかしシーズーは短頭種のため、夏場は熱中症に気を付けてください。暑い時間帯のお散歩や長時間の運動は避けるようにしましょう。
病気
短頭種気道症候群
さて短頭種とは頭蓋骨に比べて鼻が極端に短い、いわゆる「鼻ぺちゃ」と呼ばれる犬種達です。シーズーも短頭種に分類されます。愛らしい見た目ですが、その形状故に呼吸がしづらくなる傾向にあり、その病態を短頭種気道症候群と呼びます。
短頭種は先天的に鼻の穴が狭い「外鼻孔狭窄」や、気管が塞がれやすくなる「軟口蓋過長」であることが多いです。その状態で呼吸することで気道に負荷がかかり、さらに気道が狭くなってしまうこともあります。体温調節も得意でなく、体温が上昇すると呼吸も苦しくなってしまうため、熱中症には注意が必要です。
詳しくはこちらで解説しておりますので、ご参考になさってください。
皮膚疾患
シーズーは皮膚トラブルが多いのも特徴のひとつです。生まれが乾燥した地域のためか油分の分泌が多く、湿度の高い日本では疾患が出てしまうことも。
多いとされるのはアトピー性皮膚炎、脂漏症、マラセチア皮膚炎、などです。また垂れ耳のため外耳炎にもかかりやすいです。定期的に皮膚や耳の状態を確認し、異常がみられたら受診をお勧めいたします。
皮膚症状についても過去の記事でいくつかご紹介しております。皮膚の症状 ~ベタベタフケ~など、皮膚科カテゴリからご確認ください。
眼疾患
続いては眼についてです。
シーズーは眼が大きく飛び出しているため傷がついたり乾燥したりしやすいです。目やにも出やすいので、出ている場合は定期的にケアしてあげましょう。
眼に傷がつくと眼疾患を引き起こしやすくなり、網膜剝離などの原因にもなります。また眼の表面が乾燥し角膜や結膜が炎症を起こすことで、乾性角結膜炎(KSC)になってしまうことも。
眼の赤みや涙、痛がったりする様子など、いつもと違うところがないかよくチェックしてあげてくださいね。
その他
上記以外だと椎間板の一部が飛び出してしまう椎間板ヘルニア(ハンソンⅠ型)、心臓の僧帽弁がしっかりと閉じなくなる僧帽弁閉鎖不全症などがなりやすいものとしてあげられます。
後者については僧帽弁閉鎖不全症の記事も掲載しております。シーズーであれば必ずなるというわけではありませんが、好発犬種として症状や対策を知っておき、定期的な診察や検査でチェックしておくと安心です。気になることやご不安なことがあればご受診の際にご相談ください。
まとめ
日本国内では人気犬種上位にランクインしており、長年可愛がられているシーズー。
日頃の皮膚のケアや毛のお手入れ、短頭種として気をつけなければいけないことなど多くありますが、それはどの犬種であっても同様です。
その特性をよく知り、是非大事な家族として迎え入れてあげてください。