犬との楽しい時間をすごしましょう。散歩はこんないいことがあります。

家族と一緒に犬が散歩をしている様子を誰でも見たことがあるのではないでしょうか?

犬との生活を行う上で必要と言われている散歩。今回は犬にとって散歩が必要な理由やマナーについてお話していきます!

散歩は犬にとって運動やストレス解消コミュニケーションの機会様々なメリットがあります。

散歩による運動量は犬種や年齢によってことなり個体差にもよるので一概にはいえませんが、運動量が足りないとストレスがたまり、それが問題行動に繋がる要因の一つともいわれています。

身体が小さい小型犬は室内で歩いていれば運動が足りると思われがちですが家の外に出て散歩を行うことで社会化や気分転換も出来るためできれば毎日外に出て散歩を行うといいでしょう。

また、家族以外の犬や人と触れ合う機会を作ることで犬との絆を深め、社会性のある子に育てることも散歩が必要な理由の一つです。

触れ合いが苦手な子は散歩に出てにおいを嗅ぐだけでもコミュニケーションになります。人通りが多い場所などでは抱っこしながら散歩してみるといいでしょう。

老犬でも散歩は必要です。歩くことで足腰の筋肉量を維持し、関節が固まらないようにすることで寝たきりの予防にもなります。

また、外で散歩することで認知症の予防にも効果があります。体調に合わせながら外に出て歩いてみましょう。

 

散歩に必要な物

散歩に出るときは以下の物を用意しましょう。

・首輪または胴輪

・リード

・迷子札

・排泄物処理グッズ(水、排泄物をとる袋、ペットシーツ)

・お散歩バッグ

散歩時はスニーカーなど歩きやすい靴を履き、動きやすく汚れてもいい服装で行くことをお勧めします。散歩中はなにが起こるかわかりません。

愛犬が水たまりに入ってしまいドロドロに汚れてしまったり、急に走り出して他の犬や人に飛びつこうとしたりと予測不可能な事がおきる可能性もあるので汚れても洗濯がしやすく、しっかりコントロールできるように動きやすい服装で行うのが理想です。

 

散歩の時間や回数

一概にこの時間がいいとはいえませんが、一般的な目安として小型犬は1日30~60分程度中型犬は1日60~120分程度大型犬以上は1日60~120分以上と言われています。

1回で120分以上行ってくださいというわけではなく1日2回に分けるなど工夫をして時間をとってあげましょう。

子犬の散歩の場合は少し必要条件が変わってきます。初めての散歩に出る際には、感染症予防のために混合ワクチン接種が大切です。

当院のワクチネーションプログラムに沿っていくと初回のワクチンを8~9週齢で接種し、その後約4週後に2回目のワクチン、さらに約4週後の16週齢を超えて3回目のワクチンを接種していることを確認しましょう。

犬の混合ワクチンについてはこちらを、当院のワクチネーションプログラムについてはこちらを参照ください。

16週齢を超えて接種する混合ワクチンを終えていないからと言って何もしないのではなくそれまでの期間は散歩の際に必要になる胴輪や首輪、リードに慣れる練習をしましょう。

またこの時期は社会化で大切な時期なので地面におろさず抱っこをして5分など短時間で外の景色を見せてあげるだけでも刺激になります。マイナスなイメージを持たないように無理せずに行いましょう。

そして16週齢を超えて子犬の時期の混合ワクチンを終了したら散歩デビューです!

外に出てすぐ歩ける子は少ないため、周りの環境に慣れる練習から始めてみていただき、少しずつ歩けるように練習してみてください。

他の犬や人に触れ合うのは狂犬病ワクチンの接種が終わってからのタイミングにしましょう。狂犬病は感染した動物に咬まれると感染する病気です。

そのため万が一、犬同士のけんかや人を噛んでしまったときに狂犬病予防をしていることが大切です。狂犬病についてはこちらをご参照ください。

徐々に様々な環境に慣れていくのが大事ですので、「散歩=楽しい事」となるように無理しないようにスタートしましょう!

 

散歩に最適な時間帯

散歩に行く時間帯や温度の明確な決まりはありませんが、快適な温度として15~25度と言われています。

各地域により温度差があるので天気予報や温度計を確認し、その日で散歩時間の微調整をしてあげる事が必要です。

夏場は日が昇ってくると地面がとても熱くなるため足の裏を火傷してしまい、場合によっては熱中症に陥ることがあります。この場合は朝方の日が昇りはじめの時間に行くか、日が暮れて夕方や夜の少し気温が下がった時間帯に行くことをおすすめします。

胃拡張や胃捻転症候群のリスクを回避するため、食事はお散歩の後にあげましょう。また、散歩後すぐの食事は消化に良くないため、散歩が終わり30~1時間後に食事をするといいでしょう。

胃拡張・胃捻転症候群については以下のこちらも併せてご覧ください。

 

雨天時の注意

雨天時の散歩で犬が嫌がる場合は無理強いせず家で過ごし、おもちゃで遊んだり、ノーズワークや知育玩具等を使用したりと十分遊べるようにしてストレス発散をしてあげましょう。

またトレーニングをするのもエネルギー発散に繋がるので室内で練習してみるのもいいでしょう。

散歩を要求してくる、外でしか排泄をしないなどの場合はしっかりと準備をしてから散歩にいきましょう。雨具にリフレクター(反射板)が付いていると事故防止に繋がるのでおすすめです。

傘を使用する場合、傘で手が塞がりコントロールが難しくなり犬も濡れてしまいます。家族、犬ともに雨具を着用し、水たまりを極力避けて帰宅後しっかりと体や足を拭き、汚れを残さないようにしましょう。

汚れや水分が残っていると皮膚炎になってしまったり、低体温症や体温低下による胃腸の機能低下が見られたりする事があります。雨具を使用することでケアも短時間で済み犬の負担も軽減できるため、準備をするようにしましょう。

散歩時、屋外でフンをした場合は持ち帰るのがマナーですが雨天時は雨で広がってしまう事があります。

フンキャッチャーなど袋をつけて出てきたフンを地面に落とすことなくキャッチすることが出来る物が売られているので、こういった物を使用すると雨の時だけでなく軟便でも回収することができるのでおすすめです。

雨の日は散歩に行くのか、室内で過ごすのか犬にあわせて考え楽しく過ごせる工夫をしましょう。

 

犬の散歩のマナーやルール

ノーリードは法律違反になるのをご存知でしょうか?動物愛護管理法7条3項で定められており、散歩の際は必ずリードをつけて行きましょう

また、公共の場の汚染は違反になりますので排泄物は持ち帰る事が必要です。法律で禁止されていることも多いので注意しましょう。

尿の処理はシーツで吸い取って水で流すという流れが理想です。電柱へのマーキングは腐食の原因にもなりますので、排泄はシーツの上でできるように練習しておくといいでしょう。

上記のように法律違反に関わることがあるため、散歩の際は常に犬に気を配りスマホを見ながら歩いたりせず、犬を飼う上での注意事項は必ず厳守するようにしましょう。

また基本的なしつけをしておくと散歩中のマナーを守ることができます。

例えば、トイレトレーニングを行っていればトイレコマンドを使用し排泄をさせたい場所でさせることができます。アイコンタクトを覚えていれば散歩中に飼い主に視線を送ることで下を向いて歩くのではなく上を向いて歩くため拾い食い防止などにもなります。

散歩中にしつけをすることで散歩の質を向上することもでき、犬との絆を深める時間にもなります。しつけについては以下のリンクをご覧ください。

犬との暮らしの基礎の基礎!基本的なしつけを練習してみましょう!

 

終わりに

散歩の重要性をお伝えしてきましたが、1回30分の散歩をしたけどそのうちの20分立ち話をしていました、だと10分しかエネルギー発散が出来ていないことになります。

これだと犬のエネルギーの発散が十分だとはいえないかもしれません。散歩の時間をただ長く行くのではなく散歩の質も大切です。

マナーやルールを守り楽しく散歩に行き、毎日の日課にしましょう。

たとえ時間が無い場合でも少しだけ外にいき、においを嗅ぐだけでストレス発散や気分転換になります。

散歩コースに坂道や階段を加えて筋トレコースにするなど工夫をして毎日同じコースではなくメリハリをつけてみると刺激になるのでストレス発散やエネルギー発散ができ、問題行動の予防に繋がります。

災害時や体調不良での入院時など外でトイレが出来ない状況になった場合、外でしか排泄をしない子は困ってしまいますので今から少しずつ室内でも出来るようにトイレトレーニングをしてみると良いでしょう。

散歩を通じて楽しく運動やストレス解消をし、人と犬とのコミュニケーションの機会をたくさん取って心と身体の健康を作っていきましょう!

この記事を書いた人

伊川(愛玩動物看護師)
物心つく頃には動物に触れ合うことが多く、将来の夢は動物関連の仕事に就くことだった。看護師として外科の勉強や、当院をみなさまに周知してもらえるようHP等の内容を充実させることに奮闘中。また、シニア猫との暮らしの経験からシニアになってもより良い生活をできるようお手伝いしております。フェレット大好き、フェレット仲間募集中!