準備は出来ていますか?犬や猫の介護の準備・方法お教えします ~排泄 寝たきりの介助編~

シニア期に入る準備を全シリーズ3回でお送りしております!

第3回目は排泄と寝たきりの介助について解説していきたいと思います!

 

~排泄 寝たきりの介助編~

排泄について

シニアになると消化能力の低下や環境の変化により、ストレスに敏感になり下痢などを起こしやすくなります。

膀胱容量の減少、運動性の低下により尿失禁などが認められることがあります。

<こんな変化が起きるかも>

・排泄時に姿勢が保てなくなる

・排泄場所ではない場所で排泄をしてしまう

・膀胱炎をおこしやすくなる

・尿漏れをする

・下痢を起こしやすくなるなど

 

<自宅でできること>

・冷たいものを避ける

・消化の良いフードを与える

・適切な温度管理をする

・排泄回数を増やす

・排泄できる場所を増やす

・若いころからマナーベルトやおむつに慣れさせる

 

おうちで粗相をしてしまったら・・・・

普段屋外で排泄をしている子が粗相をしてしまっても怒らないで上げてください。怒ってしまうと委縮してしまい屋内で排泄ができなくなってしまいます。

高齢になり歩行が難しくなってきたときの為にも屋内で排泄ができるようにしておきましょう

 

下痢が見られたり、尿の量や尿のにおいに変化が見られる場合には動物病院へご相談ください。

 

寝たきりの介助

寝たきりになると、自分で寝返りが打てなくなり、ずっと同じ姿勢でいることで褥瘡(床ずれ)ができてしまう場合があります。そのようなことを防ぐために定期的に体位を変えたり、介護マットを使用してみるのも良いでしょう。介護ベットのほかにも、専用の立位補助マットもあります。

使用することで立位での食事が可能になり誤嚥防止やリハビリの補助、褥瘡の防止など介護を行なう側の負担軽減にも繋がります。

 

<介護マットの使用方法>

介護マットの上に敷布団やクッションを置かないようにしてください。介護マットの性能が発揮されません。

必ず使用する動物の体重がそのマットで支えられるか確認しましょう。

介護マットの上で寝ていても動いているうちに皮膚が擦れてしまうことがあります。

 

床ずれ・皮膚が擦れやすい部位

体重が減少し、痩せてくると体重がかかりやすい部位と、皮膚と皮膚が擦れるところに負担がかかり床ずれができやすくなります。

特に顔・肘・肩・腰・足の内側は要注意です。

 

体位を変える際の注意事項

・吐き戻しや誤嚥の可能性があるため飲食の直後に行わないようにしましょう。

・内臓に負担がかかることがあります。腹部を上にして回転させないようにしましょう。

 

体位を変える間隔

通常のベットの場合には2時間ごと、介護マットは4時間ごとに行うことをお勧めしています。

・床ずれができたり体の痛みがある場合には状態に合わせてもっと回数を増やす必要があります。

*床ずれができてしまったり、皮膚の擦れがひどくなるようでしたら動物病院にご連絡ください

 

自力で排泄できなくなったら・・・

マナーウエアやおむつなどを使用してあげましょう。使用する動物の尿量と使用する時間によって使い分けてください。

・マナーウエア 少量の排泄や漏れに

・長時間おむつ しっかりと排尿を吸収 長時間対応

*使用する際は、マナーウエアやおむつをしっかり開いてから使用しましょう。

腰回り・尾の周りが締まりすぎていないか確認してください

 

清潔にしましょう

おむつを使用していると排せつ物が皮膚や陰部などにつき、そのままにしていると衛生状態が悪化し皮膚炎などを起こすことがあります。

その都度シャワーで洗い流すことをお勧めします。難しいときは蒸しタオルで拭く、ぬるま湯を洗浄瓶に入れて洗い流すと良いでしょう。

*洗い流した後はしっかりと乾かしてあげましょう。湿気が残っていると皮膚炎の原因になります。

 

まとめ

寝たきりになると、床ずれや皮膚炎ができることがあるので定期的に体位変換やおむつの交換が必要となり、常に清潔にしておくことが必要になります。

また自分で食事がとれないため補助しながら食事を与えなければいけません。そのため目が離せなくなり、介護されるご家族が寝不足になったり、精神的に疲れてしまう場合があります。

現在は様々な便利な介護用品がありますので、上手に使ってご家族に負担が少なく楽しく介護ができるように工夫してみましょう。

わからないこと気になることなどありましたら、お電話でも大丈夫ですのでいつでも動物病院までご相談ください。

また当院ではシニア期についての教室(シニアクラス)を行っておりますのでご興味がある方はぜひご参加ください!

 

この記事を書いた人

根岸(愛玩動物看護師)
反抗期の子供を持つ2児の母。大きな犬と体当たりで遊ぶことが大好きで自宅でも中型犬と暮らしている。現在はさらに猫を迎え、犬とはまた違った可愛さに魅了されてメロメロ。スタッフのお母さん的な存在として、後輩スタッフの指導にも尽力している。