犬や猫のクレートトレーニングが大事な理由とトレーニング方法をお伝えします。
初めての方でもわかるように「クレートトレーニング」の大事な理由、現在トレーニングに苦戦している方にはトレーニングのコツを簡単にお伝えします。
まず「クレート」とは犬・猫が入る持ち運び可能なケースの事で、これを使って中で大人しくする練習(しつけ)をすることを「クレートトレーニング」といいます。
クレートの中が自分の1番安心出来る場所にしてあげる事がとても大切です。
そのためには無理矢理入れて過ごさせるのではなく、犬・猫が自ら入りたくなるような安心出来る空間作りが必要になります。
今回はこの安心出来る場所にするためにはどのようなことをしたら良いのか、また現在クレートトレーニングを行っているけど上手くいかない方にもどのようにしたら入れるようになるのか、などをお伝えしたいと思います。
クレートトレーニングのメリット
クレートトレーニングを行う事でどのようなメリットがあるのでしょうか。
クレートに入ることに慣れると、自分のにおいのする空間で安心して短時間のお留守番が出来るようになります。
行動できる範囲を制限することで誤飲を防ぎ、色々な物を汚すことや不安による破壊する行動を抑制することで、お互いに安心して短時間の留守番を行うことができます。
また地震や台風など災害時の急を要する場合でもクレートに入ってくれればスムーズに移動が出来、避難所でも受け入れて貰いやすくなります。
更に、いつもと違う場所でもクレートがあることで安心出来る空間があるということでストレスを軽減することが出来ます。
このようにどこに行ってもクレートがあれば移動もスムーズにでき精神的な面でも落ち着いて過ごすことが出来るでしょう。
クレート選びと設置
クレートにはどのような素材の物があるか、どんなサイズを選べばよいのか、どこに置いたらいいのかなどをお伝えします。
・素材
クレートの種類はハードとソフトがあります。
移動時の使い方にあわせて種類を決めるのも良いですが、ハードタイプは衝撃に強く、安全性が高いため犬や猫をしっかりと守ることができますのでお勧めです。
中型犬以上はクレートの下にタイヤがあると移動がしやすいのでお勧めです。
・サイズ
広さはクレートの中で方向転換が可能なものを選びます。
奥行きは伏せた時に前足から尾まで入る大きさ、高さは体高より10cm以上高いものを選択しましょう。
広すぎると中にいるときに落ち着かず、中で排泄をしてしまうことがあります。またクレートの適正体重(耐荷重)も確認しましょう。
重量オーバーとなる場合、ハンドル部分のパーツの破損や亀裂などの原因にも繋がりますので安全のため犬や猫の体重と耐荷重を確認してから適正なクレートを選択しましょう。
・設置場所
犬や猫がクレートに慣れるまでは、クレートをいつでも入れる状態にしておき、必ず家族がいる部屋に置きましょう。
クレートに入ると一人ぼっちになるという印象を与えないためです。
クレートに慣れてきたら、犬や猫が安心して休息出来るようにできるだけ人通りが少ない部屋の角などに置くとよいでしょう。
窓際や騒がしく人通りの多い玄関やドア付近、家族が動く導線近くはできるだけ避けるようにしてください。
そして暑いと熱中症の危険、冬場は隙間風などで寒くなりやすいので、室温の管理が出来る場所を選択しましょう。
クレートトレーニング方法
クレートに入る練習から慣れていくまでのトレーニング方法をご紹介します。
①クレートへの警戒心を解くためにクレートの扉を開けたままにし、入り口の前にオヤツを置いて食べさせます。クレートは怖くないということを教えます。
②扉のすぐ内側に首を伸ばせば届くくらいの位置にオヤツを置いてみます。無理矢理近づけようとせず、自ら入ろうとするまで待ちます。
③慣れてきたらオヤツを置く位置を徐々に奥へと移動します。中に入るようになったらタイミングを合わせて「ハウス」と声をかけます。
④奥まで入れるようになったら、食事の時間を利用してクレートの中でごはんを与えたり、食べきるのに時間がかかるオヤツを与えたりしてクレートの中にいる時間が長くなるようにします。この際、不用意にドアが閉まらないように止めておくか外しておくといいでしょう。
⑤犬が安心してクレートの中にいられるようになったらドアを閉めドアの外側から好物をいれます。ドアを閉められてもクレートの中にいると良いことがあると教えます。
最初は短時間から始め、慣れてきてから少しずつ時間を延ばしていきます。
最後に
クレートトレーニングの際、自発的に入れるようになることがとても大事です。
犬や猫がクレートに入るのを躊躇しているときにお尻を押して無理矢理入れないようにしましょう。
クレートトレーニングの成功の秘訣はクレートを好きにさせることです。慣れるまでは1人にせず必ず側にいて安心させてあげましょう。
また、クレートの中で快適に過ごせることも大切で、夏は涼しい場所に置き、冬は暖かく過ごすことができるように敷物を入れてあげるなどの工夫をしましょう。
そして、入れる前には水を与えて排泄を済ませしっかり運動をさせましょう。
クレートの中で長く楽しく過ごせるもの(ガムやコングなど)と一緒にいれ、長くとも3時間ぐらいまでとし、長時間閉じ込める事はやめましょう。
どんなときでも安心できる場所が「クレート」になるよう焦らず徐々に慣らしていくつもりで行いましょう。
どうトレーニングしたらいいかわからない場合や、なにか不安がある場合はしつけ教室で相談することも可能ですので是非ご参加ください。
しつけについてはこちらの記事も参考にしてみてください。