スコティッシュ・フォールドの性格や特徴をご紹介!暮らし方の注意点などもお伝えします。
今回は様々な種類の猫がいる中でも上位の人気を誇るスコティッシュ・フォールドについて紹介していきます。
どのような性格でどんな特徴があるのか、また一緒に生活していくうえでの注意点などお伝えしていきます!
スコティッシュ・フォールドの歴史
現在広く人気があるスコティッシュ・フォールドの歴史は、1960年代まで遡ります。
イギリスのスコットランドで飼育されていた猫が産んだ子猫のうち1匹に耳の折れ曲がった子がおり、この折れ耳の猫を繁殖させていったのがスコティッシュ・フォールドの発祥と言われています。
交配はブリティッシュ・ショートヘアとアメリカン・ショートヘアで行われ、1990年代にアメリカで公認されました。
「フォールド」には「折りたたまれる」という意味があります。
この折れ耳が骨軟骨異形成と言われる骨格の成長に異常が出てしまう遺伝性の病気だと分かり、猫の血統団体の一部からは登録が認められていないというのが現状です。
性格と特徴
スコティッシュ・フォールドの性格は優しく温和で大人しく飼育しやすいと言われています。
比較的人にも懐きやすく、甘えるのも上手です。人と一緒にいることを好みますので、一緒に遊んで過ごしてあげましょう。
また軟骨や骨が異常に形成されてしまう「骨軟骨異型性症候群」という遺伝性の疾患が発現することがあります。
この疾患に関連した特徴の一つである折れ耳、この折れ耳にも種類があります。
折り目が緩やかな「シングルフォールド」、ぴったりと折り目が付いたような状態で前に耳が折りたたまれている「ダブルフォールド」、折り目が三重となり、耳が顔に沿って完全に折りたたまれた状態になる「トリプルフォールド」があります。
このトリプルフォールドは前から見ると顔が丸く見えるのが特徴的です。一方で、耳が立ったままの立ち耳の子もおり、立ち耳の子の場合は骨形成不全となりにくいため、骨の病気にかかりづらい傾向にあります。
その他にも、筋肉質でがっしりとした体形をしており、頭や四肢、足先が丸みを帯びています。また、瞳が大きいのも特徴的です。
暮らし方
一緒に暮らすにあたって重要なこと、それは健康管理について正しく知識を得ることです。
スコティッシュ・フォールドは性格的に温和で大人しく、また遺伝的な疾患を発症しやすいため他の猫種に比べて運動量が少なめです。
ご飯をフードパッケージの目安通りに与えていると脂肪がつき肥満傾向になることがありますので、ご飯の与えすぎには注意しましょう。肥満気味かどうかの確認方法はこちらで詳細に紹介されておりますので是非ご覧ください。
上記の通り大人しく運動量が少なめではありますが、ご家族と一緒におもちゃで遊ぶことで適度な運動になります。
コミュニケーションの一環にもなりますので積極的に接する時間を取りましょう。
また折れ耳の子の場合は特に汚れが溜まりやすく外耳炎などを起こすこともあるのでこまめに耳の中の確認をしてあげましょう。
頻繁に耳掃除をしたり綿棒などで強く刺激しすぎると炎症を起こすこともありますので耳の奥まできれいにしようとせず、柔らかいコットンなどで表面を優しくふき取る程度でケアをしてあげてください。ご不安であれば動物病院のスタッフに依頼しましょう。
一緒に暮らす上でブラッシングも重要です。スコティッシュ・フォールドは短毛と長毛両方のタイプがあります。
短毛の場合は週に2‐3回、長毛の場合は毎日朝晩1回ずつはブラッシングをしておくと被毛を清潔に保つことが出来ます。
毛質は柔らかく密な構造をしているため抜け毛が多いため、できるだけ毎日ブラッシングをしてあげるのが望ましいです。またブラッシングは猫とのスキンシップの時間と考え、日々のコミュニケーション、そして信頼関係を築くためにも実施していきましょう。
短毛 | 長毛 |
病気
スコティッシュ・フォールドは交配の仕方によっては遺伝疾患の出やすい子が産まれてきます。先天的な疾患や特徴からなりやすい病気について紹介します。
遺伝性骨形成異常症
主にスコティッシュ・フォールドに発症する遺伝性の病気で骨軟骨異形成症候群とも呼ばれ軟骨や骨に異常が起きる病気です。病気の進行は骨が成長する成長期から徐々に始まります。
発症部位としては病名通り関節などの軟骨部位や骨に発症しますが、手首足首と尻尾に変形が出るのが特徴的です。
症状として手足の関節の歪みや変形(変形性関節症)、コブの形成による関節腫大(骨瘤)、それによって関節の動きの制限が見られることがあります。
痛みがあることから不自然な歩き方、走ることやジャンプなどの運動を嫌がる様子、特有の「スコ座り」、毛づくろいをしなくなるなどの日常生活における変化が見られることもあります。
また耳折れもこの病気が原因で起きているため、症状の差があるとしても耳折れの子は必ず発症すると言われています。
治療は対症療法となり、痛み止めや関節ケアのサプリメントなどを処方することもあります。
肥満
暮らし方でも説明した通り、運動量は多くないため筋肉量が減ると肥満傾向になります。
体が重いと関節に負担がかかり変形性関節症の進行を助長してしまい、痛みがでて動かなくなる、そしてまた体に脂肪が蓄積されるといった悪循環に陥ってしまいます。
食事の管理を徹底し、適切な体重に維持してあげましょう。当院のホームページにカロリー計算の仕方がありますので是非ご利用ください。
また、カロリー計算の詳細について書かれているこちらも併せてご覧ください。
外耳炎
同じく暮らし方で説明した通り、外耳炎と言われる皮膚のトラブルにもなりやすいため、こまめに耳のケアをしてあげましょう。ケアの詳細はこちらをご覧ください。
肥大型心筋症
心臓の筋肉が分厚くなり、血液循環が悪くなって心機能が低下する病気で、スコティッシュ・フォールドは遺伝的に肥大型心筋症になりやすい好発猫種です。
代表的な症状としては呼吸が荒くなったり、心筋症により血栓ができることによって後ろ足が突然動かなくなったりします。時に失神や突然死を招くこともある怖い病気ですが、無症状で病気の進行がある子もいます。
根本的に治す治療法はありませんが、病態に合わせた治療を行います。
この病気は早期発見が大切ですので好発猫種は若齢から年に一度の定期検診をお勧めします。詳細の内容はこちらをご覧ください。
尿路結石症
この病気は腎臓でつくられた尿が排泄されるまでに通る尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができる病気で、尿管や尿道で詰まってしまうと命に関わることがあります。
スコティッシュ・フォールドなどの純血種が好発猫種と報告されており、雌よりも雄に発症しやすいことが分かっています。
また結石の成分にシュウ酸カルシウムというものがあり、食事等で溶かすことが出来ないため緊急性が高い場合や内科治療に反応が乏しい場合は外科手術が適用になります。
予防法としては結石を形成しないように食事管理の徹底と肥満が関連しているともいわれているため体重管理も大事になります。他にも治療法や予防方法を詳細に説明しておりますのでこちらを是非ご覧ください。
まとめ
スコティッシュ・フォールドについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
遺伝的な疾患も多くありますが、上手に付き合っていくことで長く一緒に暮らしていくこともできます。
今一緒に暮らしている方、またこれからお迎えする方、健康な暮らしを意識して一緒に生活を送って行ってください。