高齢になった犬や猫に起こる変化とは?
最近愛犬の身体にイボが増えた気がする… 目がなんだか白っぽいかも…
一見病気に思いがちなその症状、もしかしたら老化かもしれません。
近年では獣医療や飼育技術の進歩により犬猫の長寿化が進んでいます。こういった変化からご家族が高齢動物と暮らしていく中で困りごとに遭遇する場面が多くなったのではないでしょうか。
今回は高齢になるにつれて起こる変化や、高齢期に向けての準備についてご紹介します!
何歳から高齢期?
うちの子はまだ9歳だし大丈夫!なんて考えている方はいませんか?
油断は禁物です。小型犬や中型犬は10~12歳頃、大型犬は8歳頃、猫は12歳頃から高齢期に入ります。
人間では中年期と呼ばれる時期に白髪やシミが増える、毛量が減ってくる、疲労の回復に時間がかかるなど「老化のサイン」に気が付き始めるかと思います。
犬や猫も同様で、7歳あたりから中年期に入り老化のサインが現れることが多いため、この時期から高齢期を迎える準備をすすめてあげましょう。人間と犬猫の年齢の違いについてはこちらを合わせてご覧ください。
高齢になって起こる変化、老化とは
「老化のサイン」といってもどういった変化に注意すればよいのでしょうか。
高齢期に入ると、身体のさまざまな生理的機能が衰えてきます。早期に発見できれば、元に戻すことはできなくても悪化を防ぐことができます。
老化が進行していくと、様々な疾患にかかりやすくもなるため、日ごろから動物の様子をよく観察しましょう。
見た目に表れるサイン
老化のサインで気が付きやすいのが「見た目の変化」です。具体的には下記のような変化が見られることがあります。
・毛が白っぽくなってきた
・皮膚にイボが増えてきた
・太ってきた、痩せてきた
・口臭がでてきた
・眼が白っぽく濁ってきた など
その他にも、体調変化が起こりやすくなる、心臓機能の低下や関節の痛み・認知機能の衰えなどがみられる可能性があります。詳しくはこちらをご覧ください。
いままでと何か違うけど老化かな?と感じても判断が難しいものです。ご自宅での生活の中で違和感を感じたらかかりつけの動物病院に相談してみましょう。
行動に表れるサイン
見た目ではそんなに変わっていない気がする…
しかし安心はできません。次に気をつけていただきたいのが「行動の変化」です。具体的には下記のような変化が見られることがあります。
・段々と動きが鈍くなる
・呼びかけているのに気が付いていないなどの反応の鈍さ
・1日の中で寝る時間が長くなる
・前までできていたトイレの失敗が増えてきた など
よく見てみると今までと違う様子があらわれているかもしれません。
高齢期に向けての対策
準備といっても何をしたらよいのでしょうか。
まずは毎日食べているごはんを見直してみましょう。
一般的に高齢期向けのごはんは脂質が控えめにして良質なたんぱく質が含まれており、加齢に伴って不足しがちな成分を強化しています。また、粒は硬すぎない少し柔らかいものや粒が小さく飲み込みやすいものなど食べやすい形状になっています。
普段食べているごはんから変更する際は、1週間程度かけて少しずつ割合を変えてあげるようにしましょう。
また、適度な運動も老化に伴う様々な病気の予防になります。
散歩を嫌がるようになって運動を控えていると、筋力が落ちてしまい、最終的には寝たきりの状態になってしまうこともあります。
もし痛みが出ているのであれば獣医師と相談の上、動物の状態に合わせて適度な運動をするようにしましょう。
室内で運動する場合には室内環境も整えてあげましょう。
老化によって足腰の筋肉が衰えてくるとフローリングの上では滑りやすくなってきます。
滑りにくいマットを敷いたり、段差などに簡易的なスロープを置いたりすると転倒の防止になります。
自力での排泄や食事ができなくなる、食事の補助が必要になるなど、自宅での介護が必要になることもあります。
初めての介護で分からないことや不安なことなどがございましたら、いつでもスタッフまでご相談ください。こちら(排泄 寝たきりの介助編、食事介助編、行動の変化 認知症編)で詳しく解説しておりますので合わせてご覧ください。
まとめ
老化のサインや変化にいち早く気が付くために、日ごろから動物の様子をよく観察してあげることが重要です。
そして、元気に長生きしてもらうために大事なことは病気の早期発見です。
人間と同じように、動物も定期的な健康診断を受けましょう。
当院では、シニア期になると一般的な血液検査や尿検査に加えて、レントゲン検査や超音波検査、血圧の測定や腎機能・心臓機能・甲状腺機能の検査をお勧めしています。
年に2回の血液検査や上記の検査が受けられる会員制度もございますので、ぜひご相談ください。
また、筋力維持などを目的としたシニア向けのリハビリテーションも行っております。
健康的な高齢期を過ごしたい!少しでも長く一緒にお散歩に行きたい!など、ご興味がある方は当院スタッフまでお声がけください。
いつもと違う様子や身体の変化が見られたら、一度動物病院に相談してみましょう。