不整脈
心臓は全身へ血液を送り出すポンプの役割をしており、電気信号によって動いています。
下の図のように自然のペースメーカーである洞結節よりでた電気信号が刺激伝導系という送電線の役割を持った組織を通って順に心臓全体に伝わっていき、心臓は『膨らむ』『縮む』を繰り返すことで効率よく血液を拍出しています。
不整脈はこの電気信号の発生や流れに異常をきたした状態をいい、大きく分けて脈が早くなる頻脈性不整脈、脈が遅くなる徐脈性不整脈と電気信号の伝わり方に問題のある伝導障害に分類されます。
原因
ホルモンやミネラルの異常、神経疾患、薬物などから二次的に不整脈となる場合と心臓自体の問題から不整脈となる場合があります。
動物では犬の僧帽弁閉鎖不全症や猫の心筋症などの心臓の病気に不整脈が併発する場合が多いとされています。
症状
不整脈になると効率よく血液を全身に送り出すことができなくなるため、元気消失・食欲不振などの症状から失神・ふらつきなどの重度の症状がみられる場合もあります。不整脈の種類によっては突然死のリスクもあります。
治療
不整脈がみつかっても必ず治療するわけではありません。血行動態に大きく影響しあきらかに症状を出している場合や突然死などに繋がりやすい不整脈については治療を行います。
治療は内科治療と外科治療に分かれます。不整脈を元の正常な脈に戻すための治療(リズムコントロール)と不整脈は元に戻せないまでも心拍数を問題のない回数にする治療(レートコントロール)があります。
内科治療は内服が主となり、外科治療では人と同じようにペースメーカーを設置する場合もあります。
不整脈を誘発する全身性の基礎疾患や心疾患(僧帽弁閉鎖不全症、心筋症 など)がある場合にはその治療を先に、あるいは並行して行います。
見通し
不整脈の種類や程度によって異なります。
予防
定期的な聴診で不整脈や心雑音などの評価をしておきましょう。
不整脈でみられる症状は他の病気でも同様の症状が起きることがありますが、ふらつきや失神などがみられた場合には早めの受診をお勧めします。