皮膚の症状 ~ベタベタ フケ~
動物の皮膚を触ったときにベタつきやかさつきを感じたことはありませんか?
通常、動物の皮膚のターンオーバーは3週間ですが、ベタつきやかさつきのある皮膚では3週間を待たずして皮膚のターンオーバーが行われ、油っぽく感じたり、フケっぽく感じたりします。動物によってはベタつきとかさつきが混在することもあります。
どちらも皮膚のバリア機能が低下し、皮膚コンディションの悪化を招く要因になります。
ベタベタの例としては脂漏症。耳や顔のシワ、指の間や脇、内股などが症状の出やすい部位となり、赤みや痒みも伴うことが多く、引っ掻くなどの痒み行動となります。この状態を放っておくと皮膚の色が変わり(色素沈着)、皮膚が分厚くなったりします(苔癬化)。検査で酵母様真菌であるマラセチアが認められればマラセチア皮膚炎と呼ばれます。
フケと言われると脂漏と関連付けにくいと思いますが、動物ではフケに関しても脂漏症のカテゴリーに入ります。皮膚表面の角質が剥がれ落ちる事によりフケが発生し、皮膚コンディションの低下を招きます。
ベタベタもフケも痒みを伴い、動物にとっては辛い状況となります。
適切な検査、治療を実施する事で皮膚コンディションを良くし、痒みを軽減することが可能です。
治療の一つとして、シャンプー療法があります。
ベタベタには脱脂力の強いシャンプー剤を使用し、油分を落すことが重要となります。ベタベタの度合いにより使用するシャンプー剤や頻度は異なり、シャンプー後の皮膚コンディションにより保湿剤が必要となる場合にあります。
また、フケに対しては角質を溶解するシャンプーを使用し、フケの成分である角質を除去します。こちらもシャンプー後に保湿剤が必要になる場合があります。
ベタベタとフケは体質であり、上手に付き合っていくことが大事です。
シャンプーだけでなく、生活環境や食事、基礎疾患の管理、外用薬や内服薬など様々な形で上手に管理をし、皮膚コンディションを整えなければなりません。
痒みを最小限に抑え、より良い生活を送るために日々のケアが必要となります。