耳が赤い?耳がにおう?原因とその対処方法を解説します。
犬猫の耳をふと見たときに耳の内側が赤くなっていたり、顔を近付けたときににおいが気になった経験はありませんか?
人では緊張したり怒ったときに耳が赤くなることがありますが、犬猫ではどうして赤くなるでしょうか。
また、においが強い場合にはどのようなことが考えられるのでしょうか。今回は耳の赤みとにおいの原因とその対処方法について紹介します。
まず、犬猫の耳が赤くなっているときは何らかの原因で炎症が起こっていると考えられます。
耳垢が普段よりも多くついている場合、病気の可能性があります。
どんな病気が考えられるか?
寄生虫感染
ノミやダニの感染により痒みが誘発され耳を掻いて赤くなってしまうことがあります。
犬猫の耳の中に寄生するミミヒゼンダニは定期的な予防薬の使用で防ぐことができますので、しっかり予防をするようにしましょう。
外耳炎
細菌やマラセチア(酵母の一種)の繁殖によって炎症が起きます。そのほかにも様々な要因で外耳炎になることがあります。
外耳炎の好発品種としてはアメリカンコッカースパニエル、ダックスフンド、柴犬、トイプードル、スコティッシュフォールドなどがあげられます。
耳が垂れていると耳の中に湿気が溜まりやすくなることや、アレルギーになりやすいこと、耳の中に毛が生えているため耳垢が耳の外に出づらくなることなどが外耳炎の要因となります。耳の構造についてはコチラで詳しく解説をしていますのでよろしければご確認ください。
アレルギー
食物アレルギーや環境アレルギーの症状が耳に出ることがあります。特に若齢の犬に多くみられ、加齢とともに症状が強くなる傾向があります。
食物が原因の場合、低アレルゲンのフードへ切り替えることで症状の改善がみられることが多いです。
耳の赤みとニオイ
病気によって痒みがあると搔いてしまうことでそれが刺激となりさらに赤みが増していきます。
では、どのくらいの赤さが病的なのでしょうか。
犬や猫の耳は通常薄ピンク色をしています。炎症を起こすと赤くなりますので普段からよく耳を見たり触る習慣をつけておき、正常な色を覚えておきましょう。
いつもより赤いなと感じる場合には動物病院へ相談しましょう。また、耳の色が白っぽかったり、黄色かったりするとまた別の病気の可能性がありますので、その際にもご相談ください。
次ににおいについてです。犬猫の耳は通常ほとんどにおいがしませんが細菌やマラセチアが繁殖するとにおいがするようになります。
特にマラセチアが繁殖していると発酵したような甘酸っぱい独特な臭いがします。
通常耳垢は薄茶色~茶色です。ミミヒゼンダニの感染があるとダニのフンの影響で耳垢の色が黒っぽくなります。
また、細菌感染を起こして膿が出てくると白や緑色のドロッとした耳垢が出てくることがあります。
耳垢の量は適切にケアをしていれば通常少量です。ただ犬種などの個体差もあるので普段の耳垢の状態を把握しておくことが必要になります。
明らかにいつもと耳垢の量が違うような場合は病的な要因があることが考えられますのでご相談ください。
耳垢の検査
耳垢の色や量に異常がある、痒みがあるような場合には耳垢検査をしてその原因を探ります。
耳垢を少量採取して顕微鏡で観察することで肉眼では確認できない細菌やマラセチアが繁殖していないか判断でき、他にもミミヒゼンダニなどの寄生虫やその卵がないか検査することもできます。
耳の病気を防ぐためには定期的に耳掃除をしてあげることが大切です。
基本的には1カ月に1回程度の掃除で問題ありません。耳掃除のし過ぎでかえって耳の中を傷つける恐れもありますので注意が必要です。
ただし、耳垢が多く出ている場合や外耳炎などの治療中には1週間に1回、2週間に1回など耳掃除の回数を増やすことが必要かもしれませんので、獣医師によく相談をしましょう。
ご自宅で耳掃除をする場合の詳しい方法はこちらをご覧ください。
異常に気付くためには正常な状態を知っておくことが重要です。
普段の耳の色、耳垢の量や色、においなどを覚えておくようにしましょう。
何か気になる症状などあれば、動物病院へご相談ください。