犬や猫が耳を痒がる、耳垢が黒い!もしかしたら耳ダニがいるかも? ~耳ダニの特徴や治療法について解説します~
うちの子最近耳が痒そう・・・突然黒い耳垢がでてきた!
そういった症状、もしかしたら「耳ダニ」に感染しているかもしれません。
今回はそんな寄生虫の一種である「耳ダニ」について解説していきます!
耳ダニ症とは
耳ダニ症とは耳疥癬とも呼ばれる耳の病気の一つです。
ミミヒゼンダニというダニの寄生が原因で引き起こされるもので、犬や猫に見られる病気です。
ミミヒゼンダニは、大きさが0,5mm程度で耳道の表皮部分(耳の穴から鼓膜までの間)に寄生し、耳垢や耳から出る分泌液、角質などを餌にして生涯を耳の中で過ごします。
耳の中を動き回り、採食や排泄、産卵などを行うことで耳の中で増殖し、様々な症状を引き起こします。
感染経路
耳ダニの主な感染経路は以下のようなものがあげられます。
・親から子への感染
・耳ダニが感染している犬や猫との接触
・耳ダニの成虫や卵が付着したブラシやベッド、敷物からの感染
耳ダニが感染し外耳道内に卵を産み付けると、孵化→幼ダニ→若ダニ→成ダニへと3週間程度で成長していきます。
症状
耳ダニに感染すると、耳垢の量が増え激しい痒みを伴います。
主な症状は以下の通りです。
・黒い耳垢が大量に出る
・足で耳元を掻く仕草
・頭を頻繁に振る
・耳が臭くなる
・耳を触られるのを嫌がる
耳ダニの生息数が多いと痒みはより一層激しくなります。重症化すると平衡障害や旋回運動、斜頸など内耳炎による前提障害が起こることもあります。
感染後は、耳を過剰に掻くことにより皮膚を傷つけてしまうため、上記の症状が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう!
検査
耳ダニ症の診断は顕微鏡の検査により行われます。
綿棒などで耳垢を採取し、ミミヒゼンダニの成虫もしくは虫卵を検出します。
耳垢が少ない場合や、数回耳垢検査を行わないと検出できない場合もあるので注意が必要です。
治療
動物病院を受診し、耳ダニ症の感染が認められた場合はすぐに治療を開始します。
耳ダニ症の治療ははじめに耳の洗浄を行い、物理的にミミヒゼンダニの数を減少させます。その後、背中につけるタイプや飲むタイプのダニの駆虫薬を投与します。
耳ダニ症は治療によって完治できる感染症ですが、治療期間は約1か月ほどです。
その間もほかの犬や猫に感染させないよう注意して生活しましょう。
先ほど説明したように、成虫になるためには3週間ほどかかるため耳の中に卵を残さないためにも治療は最後までやり通すことがとても重要となります。
ご自宅で他にも犬や猫がいる場合には感染している可能性もあるため、一度診察に来ていただくことをお勧めします。
また、ご自宅で耳掃除をする際もやりすぎてしまわないように気をつけて行いましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
予防
耳ダニ症の感染や再感染を防ぐためには、予防がとても重要になってきます。
耳ダニ症の予防には、小さなうちから予防薬の塗布をしたり、定期的な診察を受け早期発見することが効果的です。
また、ペットホテルの利用やたくさんの動物が集まるイベント会場の利用は、感染するリスクが通常よりも高くなるためしっかりと予防を心掛けましょう。
予防薬の種類によって効果のある寄生虫が異なります。予防薬をどれにすればいいかわからない、そもそも何を予防すればいいの?などお困りの方は一度ご相談ください!
まとめ
今回ご紹介した「耳ダニ症」、大切な家族に感染してしまわないよう予防を徹底していきましょう。
猫であればお外に出る機会を避け、室内で飼うことも予防のひとつになります。
耳を痒がっていたり、黒い耳垢がたくさん出ている場合は耳ダニ症に限らず、何かの病気にかかっている可能性があります。
症状が進行する前にお早めに動物病院へお越しください!