犬や猫の目やにが出ている…原因とケアの方法を伝授します
気が付いたら大切なペットの目の周りが目やにで汚れていることはありませんか?
今まであまり気にしていなかったけどよく見ると目やにがついている…、
そういえば最近まばたきの回数が多いかも…
もしかしたらそれは目の病気の重要なサインかもしれません。
目やにとは
目やにとは老廃物や目の表面についたホコリなどが、目を保護している粘液と混じりあってできるもので、通常はまばたきをするときに涙で流れていきます。しかし様々な原因によって目やにが増えたり、いつもと色が違うことがあります。
今回はワンちゃんとネコちゃんの目やにが増える原因、そして考えられる目の病気やその症状についてご紹介します。
目やにが多くなる原因、病気は?
ドライアイ
ドライアイとは自己免疫性や突発性、神経性、先天性など様々な理由で、涙腺から分泌される涙の量が不足し目の表面の角膜が乾燥してしまう病気です。
眼が充血してベタベタした粘性の目やにが出たり、まぶしそうに眼を閉じる様子が見受けられます。
詳しくはコチラもあわせてご参照ください。
角膜炎 角膜潰瘍
角膜炎は目の一番外側にある膜に炎症が起きている病気で、角膜潰瘍はさらにその角膜炎が進行して傷がついている状態です。
外傷や感染、まぶたやまつげの異常によって引き起こされ「目を開けられない」「涙の量や目やにの増加」「充血」などの症状が見られます。
結膜炎
結膜炎はまぶたの内側にあるピンク色の部分に炎症が起きている病気です。
アレルギーが起因しているケースや、異物による刺激や損傷によって引き起こされることが多く「目やにの増加」「充血」などの症状が見られます。
進行すると「まぶたの腫れや赤み」など炎症がみられる場合もあります。
まつ毛の異常
まつ毛の異常には、まつ毛が本来とは逆向きに生えてしまう逆さまつ毛があります。まつ毛が角膜の表面にあたることで眼球を傷つけてしまいます。
「充血」「涙の量が多い」などの症状が見られます。
眼瞼内反症 眼瞼外反症
眼瞼内反症とは、まぶたが内側にめくれている状態のことをいい、反対に外側にめくれている状態を眼瞼外反症といいます。
眼瞼内反症、眼瞼外反症ともに角膜や結膜が刺激を受け「痛みや炎症」「かゆみ」「涙の量や目やにの増加」がみられます。
感染症
目やにが多くなる原因として感染症によるものも考えられます。
感染症の一つとして「猫風邪」があげられます。聞きなじみのある猫風邪ですが、主な原因となるのはヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアやマイコプラズマなどの細菌で子猫に多く見られます。
ヘルペスウイルスが原因となる猫風邪を「猫ウイルス性鼻気管炎」カリシウイルスが原因となる猫風邪を「猫カリシウイルス感染症」と呼び、症状としてくしゃみや鼻水、涙や目やにの量が多くなります。
詳しくはこちらもあわせてご覧ください。
検査の方法は?
目のどこに異常があるのかを判断するにはどのような検査が行われているのでしょうか。主な検査の方法をご紹介します。
シルマーティアテスト
目の表面は涙によって細菌などの刺激から守られていて、涙の減少はドライアイを招きます。シルマーティアテストは涙の量を測定する検査で、ドライアイを診断する時に実施します。
下の画像の細い試験紙をまぶたの内側にはさんだ状態で1分間待ち、涙によって滲んだ試験紙の青い塗料の目盛りを見ることで涙の量を測ります。この検査について詳しくはこちらをご覧ください。
フルオレセイン染色
目の表面に傷がついている可能性がある際に行う検査です。
下の画像の紙のオレンジの部分を目に触れさせて染色し、傷の有無を調べます。
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スリットランプ検査
角膜、結膜、前眼房内、虹彩、水晶体の観察をするための検査です。
帯状の光を眼に当てることで目の状態を観察します。細かい傷や濁り、炎症の発見に役立ちます。
色による違い
どんな目やにが正常で、どんな目やにだと病気のサインなのか。
次にその判断基準のひとつとして目やにの色による違いをご説明します。
黒色 茶色
黒や茶色の乾燥した目やには、古い細胞やホコリなどのゴミを体の外に出すための生理的なものです。コットンなどで軽く拭き取ってあげましょう。
無色透明 白 グレー
無色透明、白色やグレーのさらっとした目やにも異常ありませんが、色の濃い目やにと比べて気付きにくいため日ごろからよく観察してあげることが大切です。
黄色 緑色
特に注意していただきたいのが黄色や緑色の目やにです。
人間は健康でも黄色い目やにが出てくることがありますが、ワンちゃんやネコちゃんにとっては眼の病気の兆候の可能性があります。
黄色っぽくドロッとしている目やにはドライアイや結膜炎、角膜潰瘍の初期症状かもしれません。
目やにが気になるときのケアの方法
異常のない目やにでも放置すると炎症を起こしてしまうことがあります。
ここではお家で簡単にできるケアの方法をご紹介します。
目やにをふやかして取り除く
目やにをふき取るときはゴシゴシとこすったり、無理に引っ張るのは控えましょう。
ゴシゴシとこすってしまうと皮膚に炎症が起きてしまう恐れがあります。
また、無理に引っ張ることで嫌がってしまい、目の周りを触られることが苦手になってしまう可能性があります。
目やにが固まっている場合や毛に絡まっていて取るのが難しい場合は、コットンやガーゼなど柔らかい素材のものをぬるま湯で濡らし、目やにをふやかしながら優しく拭きとってあげましょう。
目の周りは常にきれいに
目やにが増える原因として、目の周りの毛が目に入ってしまうことがあります。長く伸びた毛が目に入らないように定期的なトリミングも重要です。
また、お散歩中に草や枝が目に入って傷つけてしまう可能性もあります。
日ごろからお散歩中に草むらに勢いよく入っていく場合、尖ったものが目に刺さらないように細心の注意を払いましょう。
目薬を処方されたら?
目やにには目薬での治療が有効なケースが多くあります。
目やにが気になって病院に行ったら目薬を処方されたけどやり方がわからない、嫌がってしまってうまくできないといったことでお困りの方もいらっしゃると思います。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。
こんなときはすぐにご相談ください
これまでご紹介したように目やにには生理的なものや病的なものがありなかなか判断が難しいですよね。放っておくと悪化したり、病気が隠れていることもあります。
量が多い場合や色の変化、ねばつきが気になる気になる場合はご相談ください。
また、目やにで目のまわりの皮膚が炎症を起こしている場合や涙が多い場合も診察に来ていただくことをお勧めいたします。
少しの異変にも気が付けるように、日ごろから目の様子をよく観察し大切なワンちゃんネコちゃんを目のトラブルから守ってあげましょう。
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