犬猫に多い歯周病!しっかり歯みがきしていますか?
犬猫は手で歯ブラシを持てないため歯磨きができませんが、歯周病予防には必要不可欠です。成犬・成猫では3歳以上の約80%が歯周病にかかっていると言われています。
犬の場合、人間よりもかなり短い期間で歯石が付きます。
歯垢は、犬も人間も大差はなく食事をしてから6~8時間後に歯の表面につき始め、その後放置しておくと歯石になります。人間では20日かけて歯石に変化していくのに対し、犬では2~3日で歯垢が石灰化して歯石になると言われています。
ただ歯石が付いていくだけなら問題はないように思いますが、歯石は細菌の塊である歯垢に唾液中のカルシウムやマグネシウムなどと結びついて石灰化したもので、表面はざらざらしているため歯垢が付きやすく歯石に変化し歯周病になりやすい状態になっています。どんどん歯石は付いていって歯石と歯肉の間、歯根まで細菌が入り込み増殖することによって歯肉や歯根の炎症や、脆くなってしまうと細菌の塊が血管に入り込み口腔内だけの病気では済まなくなってくることがあります。
人でも高齢者の死因となっている肺炎のうち、誤嚥性肺炎の原因菌は歯周病菌であると言われているため、犬猫でも歯周病を予防することは大事なこととなってきます。
歯周病の症状ってどんなものがあるの?
これらが進行していくと歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台が溶けて歯が動くようになってしまい、歯の根っこに膿が溜まる歯根膿瘍(根尖膿瘍)になってしまうと、以下のような症状がみられるようになります。そうなると歯を抜いてしまう(抜歯)処置が必要になってきます。
ひどくなってくると下のような症状がみられますので、その場合は重症度が高いと思われます。なるべく早く病院に相談するようにしてくださいね。
歯周病をひどくする要因
上顎と下顎の犬歯の後ろに乳歯が残っています。このような状況を乳歯遺残といいます。
歯周病の治療
治療としては抗生剤や消炎鎮痛薬の投与、全身麻酔下にて歯垢・歯石の除去、抜歯が行われます。予防として歯ブラシやデンタルクロスによるホームケアが非常に重要になってきます。しっかりできるように心がけましょう。
また猫の場合は、抗生剤、ステロイド薬、シクロスポリン、インターフェロン投与による内科治療が多いですが、歯を全部抜いてしまう全臼歯抜歯が行われることもあります。
口内炎が重度の猫で、抜歯後に歯茎の赤みが改善していることが分かります。
無麻酔での歯石除去も行われているようですが、無理な力が加わって下顎骨折の危険性や無麻酔での施術が恐怖感を植え付けトラウマになることでホームケアが困難になることもあります。さらに歯周ポケット内の歯石を除去することが困難なため、見た目はきれいになりますが見えないところで歯周病は進行していきます。
全身麻酔のもとで、しっかりときれいにすることをお勧めします。