犬がキシリトール入りの歯磨き粉を食べちゃった!ガムを食べてしまった!子供用の歯磨きうがい液を飲んじゃった!キシリトール中毒はご存知ですか?

今もこのコラムを見ながら、目につくところのガムがあったりしませんか?犬や猫には危ないものがあるかもしれません。

それは、、、キシリトール入りのガム!!

 

キシリトールは虫歯を予防したり、非常に康に良いものとして私たちの生活の中に浸透しています。摂取しすぎるとお腹が緩くなるくらいです。

 

しかし、犬がキシリトールを摂取することはとても危険です。

キシリトールを摂取すると急速に吸収されインスリンの分泌が促進されて、低血糖を引き起こすことがあります。ヒトではゆっくりと吸収されますので、インスリンの分泌が刺激されるよう名ことはありませんので安全です。

また、肝臓にも悪さをしたり血が止まりにくくなる障害がでる可能性もあるため非常に危険は成分です。

 

キシリトールはどれくらい食べると危険なの?

一般的には犬の体重1㎏あたり100mg以上食べると低血糖の症状が出ると言われています。

1㎏あたり500mg以上摂取すると急性肝不全や、それに伴ってふらつきや嘔吐がみられることもあります。

中毒症状の出現には個体差があり、100mg/kg未満でも症状がでることもありますし、500mg/kg以上でも何も起きないこともあります。

 

キシリトールって何にどれくらい含まれてるの?

キシリトールを含む食品をなめた程度であれば中毒症状が起こることは少ないでしょう。

犬用のデンタルケアグッズにはキシリトールが含まれているものもあり、適量であれば口腔内ケアに役立つものでもあります。

しかし、ヒト用の食べ物や飲料に含まれているキシリトールは量が多いため、少量であっても中毒が起こる場合があり誤食には注意が必要です。

一般的な市販のキシリトールガムですと、100mgはガム0.2個に相当します。

1kgあたり100mgですので、5㎏のワンちゃんがキシリトールガムを1個食べると危険ということになります。これ以上食べると重度の中毒症状(肝障害や致命的な低血糖、ふらつき、嘔吐など)が起こる可能性があります。

 

体重1kgあたり何をどれくらい食べると100mgになるのかまとめてみました。

ジャムやドライフルーツのプルーンもすももの系統になります。乾燥すると濃縮しますので注意が必要です。

1kgあたりの表ですので、5kgの子は5倍して参考にしてください。

表を見ていただくとお分かりかと思いますが、かなりの摂取量は必要になりますがガム以外でもキシリトールは含まれています。個体差があり、100mg/kg未満の摂取でも中毒症状が出る子もいますので油断は禁物です。

 

どんな症状がでるの?

基本的には低血糖状態や肝臓障害が起こることで、様々な症状が起こります。

 

猫はキシリトール中毒になるの?

猫のキシリトール中毒については、はっきりとしたことがわかっていないのが現状です。

中毒が起こらないと言われていたりもしますが、確証はないので犬と同じように注意しておきましょう。

 

もしキシリトール入りのものをたべちゃったら・・・

食べたものの成分表をチェックして、どれくらいキシリトールが含まれているのか確認しましょう。わからなければ、病院へすぐに連絡し受診しましょう。

 

食べてからすぐの場合は、吐かせるのが一番の治療になります。

食べたものの成分がわかるもの、パッケージがあれば持参しましょう。

吐かせた後の経過観察の参考にもなります。

 

キシリトールに限らず、誤食はペットにとって致命傷になる可能性があります。

普段から手の届くところに置かないことを心がけましょう。

この記事を書いた人

荻野 (獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。